こんにちは。
岩瀬 晃です。
ペラペラ英会話セミナーでも言っていますが、しゃべれるようになるには当然しゃべらないといけない訳ですが、「しゃべる」という行為は、「見て聞く」というベースがあって初めて可能になります。
十分な見聞きをすることなく、文法と単語で力づくで文章を頭の中で作ってから「しゃべる」ということもできますが、それはいわば「死んだ」表現になってしまいます。
例えて言うなら、「私はこの食べ物を良い味だと思います」としゃべるのか、「わー、これオイシー!!」とジェスチャーをつけてしゃべるのか、そんな違いと言えばいいですかね。^^
で、
そういう意味において、自然に「しゃべる」ことができるようになるためには、人と人が実際に会話をしている映像と音声を大量に見聞きする、ということが必要不可欠な訳ですが、
とはいっても、なかなかスピーディーな英語を漏らさず100%聞き取ることは至難の業です。TOEICで満点を取っている僕ですら、さすがに映画やドラマなどのセリフを100%聞き取るということはできません。
でも、そんな僕でも会話に困ることは一切ありません。
なぜか。
それは、聞き取り方のコツ、そしてそれを踏まえたしゃべり方のコツを知っているからです。
そのコツは何かというと、ずばり、「どこにアクセントがあるか」に注目することです。
たとえば、僕の好きな映画である「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のあるシーンを切り出してみてみましょう。
この会話、ネイティブスピードですので、一発で100%聞き取れる人はなかなかいないと思います。
でもですね
会話で一番大事なのは
相手が何を言っているかを一言一句聞き逃すことなのではなく
相手がだいたい何を言いたいのかを推測すること
なのです。
たとえば、このシーンの前半部分を文字で書きだしてみると、太字下線部のところが強調(大きな声で発音)されていることが分かります。
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マーティ: Gimme a Tab.
店員: Tab? I can’t give you a tab unless you order something.
マーティ: Right, gimme a Pepsi free.
店員: You wanna a Pepsi, pal, you’re gonna pay for it.
マーティ: Well just gimme something without any sugar in it, okay?
店員: Somthing without sugar.
ビフ: Hey McFly, what do you think you’re doing?
マーティ: Biff.
ビフ: Hey I’m talking to you, McFly, you Irish bug.
ジョージ: Oh hey, Biff, hey, guys, how are you doing?
ビフ: Yeah, you got my homework finished, McFly?
ジョージ: Uh, well, actually, I figured since it wasn’t due till Monday–
ビフ: Hello, hello, anybody home? Think, McFly, think. I gotta have time
to recopy it. Do your realize what would happen if I hand in my homework in your handwriting? I’d get kicked out of school. You wouldn’t want that to happen would you, would you?
ジョージ: No, of course not, Biff, now, I wouldn’t want that to happen.
ビフ: Uh, no, no, no, no. What are you looking at, butt-head?
男: Hey Biff, check out this guy’s life preserver, dork thinks he’s gonna drown.
ビフ: Yeah, well, how about my homework, McFly?
ジョージ: Uh, well, okay Biff, uh, I’ll finish that on up tonight and I’ll
bring it over first thing tomorrow morning.
ビフ: Hey not too early I sleep in Sunday’s, hey McFly, you’re shoe‘s
untied, don’t be so gullible, McFly.
ジョージ: Okay.
ビフ: I don’t wanna see you in here again.
ジョージ: Yeah, alright, bye-bye.
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ざっとこんな感じですね。
で、もしこの太字下線部だけしか聞き取れなかったとしても、なんとなーーく会話の流れがどんな感じなのか推測つくと思いませんか?
ちなみに、最初の店員とマーティのやり取りですが、このシーンはマーティが1985年から1955年にタイムスリップしているというのをおかしく演出するためのものです。
マーティが「タブ」という銘柄の飲み物を頼むと、この時代はまだその銘柄が存在していないので、「領収書」の意味と勘違いしていること、そして「ペプシフリー」は砂糖抜きのペプシなのですが、それも昔は無いので「フリー」を「無料」と店員が勘違いしている、というユーモアになっています。^^
以下、この会話の日本語訳です。
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マーティ: タブをくれ。
店員: 領収書? 何か注文しない限り領収書は出せないぞ?
マーティ: あぁ、じゃ、ペプシフリーで。
店員: ペプシ飲みたきゃ金払えよ!
マーティ: ええーっと、とにかく何か砂糖抜きの飲み物をちょうだいよ。
店員: 砂糖抜きね。
ビフ: マクフライ!ここで何していると思ってんだ、お前?
マーティ: ビフ・・・
ビフ: おい、マクフライ、お前に話しかけてるんだよ、このアイルランドの虫男。
ジョージ: あぁ、ビフ、やぁみんな、元気?
ビフ: マクフライ、俺の宿題は終わったか?
ジョージ: あぁ、えっと、それなら月曜まで期限じゃないと思って・・・・
ビフ: もしもしーもしもしーーおウチに誰かいますか(=頭の中に脳みそありますか)ーーー???考えろよ、マクフライ!!考えろ!それを俺が複写する時間が必要だろ?お前の手書きで俺の宿題を提出したらどうなるかわかるか? 俺は学校を退学させられちまうよ。そんなこと起きて欲しくないだろ?だろ?!
ジョージ: もちろん、いやだよビフ、起きて欲しくないよ。
ビフ: だよな、いやだよなぁ。 何見てんだこのマヌケ野郎。
男: ビフ、この男の救命胴衣見てみなよ。このバカ自分が海に沈むとでも思ってるんだよ。
ビフ: はは、そうだな。で、マクフライ、宿題はどうなんだ?
ジョージ: あぁ、えーっと、オッケー、ビフ。今夜仕上げて、明日の朝いちばんで持っていくよ。
ビフ: あんまり早いのはダメだぞ、日曜は寝てるからな。お、マクフライ、お前の靴ひもがほどけてるぞ。 マクフライ、お前そんなにだまされやすくちゃダメだぞ。笑
ジョージ: あはは、オッケー。
ビフ: ここにもう来るなよ。
ジョージ: うん、わかったよ、バイバイー。
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ということで、会話においてはアクセント(強調)部分に注目して、推測するという訓練をしてみてくださいね。そして、それをしゃべる場合も利用して、とりあえず前後の言葉は雰囲気でごまかすくらいな感じで言ってみましょう 笑。
もちろん、僕のペラペラ英会話セミナーでも話しているように、文法・単語に気持ちを持って行かれすぎると本来の脳のパワーを使えないことになるので、あくまでこの話は「コツ」という程度で留めておいてくださいね。