こんにちは。
アキラです。
いま、英会話の教材にしても、スクールにしても、どこを見渡しても、
だいたいの主流は
「日常会話によく出てくるフレーズを覚えさせる」
というやり方です。
「トイレはどこですか?」 → 「Where’s the restroom? 」
「大したことないよ」 → 「It’s not a big deal」
「ちょっと待って」 → 「Hold on」
「またね」 → 「See you later!」
「ちょっとお願いしていい?」 → 「Can I ask you something?」
「お塩取ってもらえる?」 → 「Can you pass me the salt?」
「どうしたの?大丈夫?」 → 「Something wrong?」
「元気にしてた?」 → 「How have you been?」
「窓をあけてもいいですか?」 → 「Do you mind if I open the window?」
などなど
挙げればキリがないですが。
こういうよく使うフレーズを繰り返し覚えることで
会話ができるようになっていく
というアプローチです。
で
僕自身も、そういった「フレーズ集」みたいのを作って
サービスとして有料で販売したりすることも可能は可能なのですが
どうも気が乗らないのです。
それはなぜか。
この、一見効率が良さそうに見えるこのやり方。
実は2つの大きな落とし穴があるからです。
なので、このアプローチをとっても、結局「焼け石に水」になるどころか、場合によっては逆効果にすらなるということを知っているからです。
まず落とし穴の1つ目は、
このやり方は
「魚を与える」
アプローチなんですね。
「これさえあればダイジョウブだから、何も考えないでそれだけしてればいいよ」
というやり方です。
で、このやり方で進んでいっても
必ず頭打ちが来ます。
それはなぜかというと
「魚が釣れる」
ような人になっていないからです。
「魚が釣れる」ような人とは
生の外国人や、海外のドラマなどを見て聞いて、そこから自分で吸収しようとする姿勢を持っている人
です。
その姿勢や習慣を身につけていない状態で
フレーズ集ばかり覚えた人はどうなるかというと
実際に外国人さんとの会話の中で、少しでもわからない表現に直面すると
もうパニック状態になります。
もしくは、自分が覚えたフレーズを少しでも思い出せないと
もうどうしていいのかわからなくなります。
その結果、
英会話に対してとても「小さく縮こまった人」
になってしまうのです。
「魚を釣れる人」になれば
可能性は無限に広がるというのを知っているので
すごくもったいないなと思うのです。
それが1つ目。
で、もう1つ目の落とし穴ですが
これはフレーズにしても、単語にしても、文法にしてもそうなんですが
記憶に長く残らないやり方で覚えようとするのは
とっても非効率というか、ムダにエネルギーを使うことなので、止めた方がいいんですね。
いわゆる「燃費が悪い」状態ってやつです。
で、この「日本語と英語の対比でフレーズを覚える」
というやり方。
これが、とっても効率が悪いのです。
で
「記憶にムリなく、ラクに、かつ長く残す」ために押さえるべきポイントは2つあります。
それは
「コンテクスト」(= 前後関係、背景、文脈)
と
「感情」(= 喜怒哀楽)
です。
平たく言えば
そのフレーズが登場する前後の会話の流れ(その国の習慣や文化的な背景)も含めて、リアルな外国人同士の会話を聞く
ということと
「知りたい!」という感情が動いている時に、そのフレーズなり単語に触れること
です。
この2つの条件がそろっている時に出会ったフレーズや単語は
放っておいても記憶に残ります。
つまりは
「頭」で覚える
よりも
「心」で覚える
という感覚です。
英会話の上達が早い人は、この仕組みを意識的か無意識的にか
うまく使えている人なのです。
なので、これからはやみくもにフレーズを覚えようとするのではなく、
もっと心を開いて、生の外国人さんや、海外のドラマを見聞きしながら
その流れの中で登場したフレーズを覚えるようにしていきましょう。
そして、そのフレーズを選ぶときに
「このフレーズは役に立つのかな」
とか
「このフレーズは意味あるのかな」
なんて心配は必要ありません。
その時その時に、自分が気になった表現・フレーズを覚えればいいのです。
そして、今はほぼすべてのドラマも映画も、英語字幕と日本語訳を表示できるのですから
そこでいくらでも表現・フレーズの意味は確認できますよね。
もっと長いスパンで考えましょう。
もっと気長に英語と付き合っていきましょう。
慌てるほど、間違いなく手に入るものが少なくなりますから。
そしてそれが、日本人が英会話をいつまで経っても話せない、根本的な原因なんですから。
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