こんにちは。
岩瀬 晃です。
「ローコンテクスト」「ハイコンテクスト」って、聞いたことありますか?
「コンテクスト」というのは、英語で書くと “Context”で
直訳は、「前後関係」とか「文脈」なんですが
「暗黙知」というのが、今回お話しする内容にそった意味になります。
「ローコンテクスト(Low Context)」は、暗黙知があまりない状態
「ハイコンテクスト(High Context)」は、暗黙知がとても多い状態
ということですね。
で、この「暗黙知」というのは、ある特定の国にだけずっと住んでいるとなかなか自覚できないものなんですが
違う国に住んでみると、面白いほどに体感することができます。
「ハイコンテクスト」の代表的な国が、ずばり、日本です。
そして「ローコンテクスト」の代表的な国が、ずばり、アメリカです。
「ハイコンテクスト」の国の特徴は、まず単一民族国家であることと、いわゆる「暗黙知」、つまり 「言わなくてもわかるよね」的なものがたくさんあること、です。
逆に、「ローコンテクスト」の国の特徴は、複数民族国家であること、そして「暗黙知」が少ない、つまり「言わないとわからん」というケースが多いこと、です。
「ハイコンテクスト」の国は、落ち着いていて、問題も少なく、平和に見えます。例えるなら、大人な国。
「ローコンテクスト」の国は、いつも活気があって、問題も多く、混とんとしているように見えます。例えるなら、子供な国。
日本人がアメリカにいくと、この「コンテクスト(暗黙知)」のある・なしのギャップで、最初はかなり戸惑うことが多いんですよね。僕もそうでした。
やたら自己主張が強くて、誰でも彼でも「私はこう思う」「私はそう思わない」みたいなことをバンバン言うので、「なんか、忙しいなぁ」って思ってしまうことが多かったです。
しかし、この「ローコンテクスト」の国にずっと住んでいると、「ハイコンテクスト」の国を、客観的に見ることができるようになります。
「ハイコンテクスト」の国って、一見すると平和で落ち着いてまとまっているように見えるけれど、実は個人レベルで見たら、「本当はこう思っているのに・・・」という想いが抑え込まれて、ストレスを抱えている人がたくさんいる
つまり、「見えない問題」がたくさんある
そんな風にとらえることができるようになります。
そして、「ローコンテクスト」の国にいると、「自分」というものが必然的に研ぎ澄まされていきます。
いろんな人種がいて、いろんな考えがあって、それについてどう思うかを常に外に向けて発言することをやっていると
「自分」の純度が上がっていくというか
「自分」は何を考えていて、「自分」はどうしたいのか
その「自分エネルギー」が、「ハイコンテクスト」の国、つまり日本に住んでいる時よりも大きくなるのを感じます。
なんというか、精神的に若返る感じといえばいいんですかね。
そんな理由で、留学するまでは周りのことばかりを気にしていた自分が、アメリカで2年間生活をするうちに、周りに関係なく「自分はどうしたいか」をより主張できるようになりました。
どちらの国が良い悪い、どちらの国が生きやすい生きにくいというのは、人によって差があると思うんですが
どちらか一方しか知らないよりも、両方経験する方が、人生がより深みを増して面白くなるように感じてます。
少なくとも、今日本に住んでいて、なんともいえない閉塞感というか、「自分」が死んでしまっているように感じる人は
一度「ローコンテクスト」の世界を体験すると、面白いかもしれないですね。
「ひぇー、こんな世界があるんだー」って
目と心からウロコが落ちると思いますよ。
そして、日本の良さも改めてわかるようになると思います。
まぁ、僕的には少なくとも、日本の食事のすばらしさがわかっただけでも大きかったですねー。