こんにちは。
岩瀬 晃です。
前回の記事に続いて、今度は「文法の違い」の観点から、アメリカと日本の文化的背景の違いについて書きたいと思います。
日本語でたとえば
「昨日、家の近くの公園に行った」
という文章があったとしましょう。
これを英語にするとどうなるかというと
” I went to the park near my house yesterday “
となります。
で、これらを比べた時、日本語の語順と正反対であることがわかりますよね?
英文を仮にその語順のまま日本語に直すと
「私は行った、公園に、家の近くの、昨日」
という感じになります。
キレーーーイに真逆の語順です。
では、この語順の違いから、どんな文化的背景の違いが読み取れると思いますか?
それは、日本は「状況主義」、アメリカは「行動主義」ということ です。
つまり、アメリカでは、「誰が何をした」が一番大事なポイントであり、日本では「どんな状況だったのか」が一番大事なポイントだということです。
これと似た文法上の違いで、次の例も日本とアメリカの文化の違いをよく表しています。
【日本語】
「朝の渋滞がひどかったので、今日は会社に遅れました。」
【英語】
” I was late for work today because the traffic was so bad this morning. “
この差ですが、日本語の場合は「~なので」が先に来ていますよね。それに対して、英語では「~だ」が先に来ています。
つまり、日本は「理由主義」、アメリカは「結論主義」ということです。
この、日本は「状況・理由主義」、アメリカは「行動・結論主義」
この2つの違いは、プライベートでもビジネスでも、とても大きな、そして根本的な違いです。
で、この2つの主義の違いを突き詰めていくと
日本= 「ことなかれ」 主義
アメリカ= 「次いってみよー」主義
と言えるのではないかと思います。
日本は、「どんな事情があった、どんな状況だった、それならやむを得ないか・・・」という感じ。
アメリカは、「何をした、そしてどうなった、よし、そうなったなら次はこうしよう」という感じ。
なんというか、大人と子供のノリの違いなんでしょうかね。
まぁ、前者を「大人」で後者を「子供」という風に解釈すること自体が、既に日本に偏った発想なんでしょうけれども。
で、これはどちらがいい悪いではなく
その両方を把握していること
互いに異なる価値観を持った人と出会った時に、その違いを踏まえてどう上手くコミュニケーションができるか
そこが大事な訳ですね。
そこはもはや、言葉(Language)のスキルではなく、意思疎通(Communication)のスキルです。
外国人の方と話す際、最終的にあまり上手にしゃべれなかったとしても、この「前提」の違いを理解しているだけで、相手の信頼を勝ち取ることができたりしますよ。